【下関市】土井ヶ浜で出会う、弥生人のリアルな姿 ― DNAと遺物が語る2000年前の交流

2025年土井が浜人類学にて撮影・学芸員の大藪博士
骨には個人情報が詰まっている――そう語るのは、土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムの学芸員である大藪博士。

2025年土井が浜人類学にて撮影
現在、同ミュージアムでは「うごく・つながる#弥生人-弥生時代の響灘-」をテーマに特別企画展が開催されています。

2025年土井が浜人類学にて撮影
会期は2025年7月1日(火)~11月24日(月・祝)まで。
訪れる人々を2000年前の世界へと誘う展示品は、出土した人骨や土器、装飾品の数々。

2025年土井が浜人類学にて撮影・学芸員の大藪博士
学芸員の大藪博士によると、骨のDNA解析から、大陸から九州北部を経て土井ヶ浜に移り住んだ人々の足跡が明らかになるといいます。

2025年土井が浜人類学にて撮影
骨のスペシャリストの大藪博士は、小さな遺物から太古の生活や交流の痕跡を読み解きます。展示されている人骨はレプリカではなく本物なのだそう(!)。

2025年土井が浜人類学にて撮影
その顔つきは現代人と大きく変わらないといいます。しかし、顎の形から硬い食材をかむ生活の跡や、しっかりとした骨格から厳しい生活環境がうかがえるといいます。

2025年土井が浜人類学にて撮影
展示には土器の破片や、南方の海でしか取れない貝殻も含まれています。出土品の形状・素材から、大陸とのつながりが浮かび上がってくるのだそう。

2025年土井が浜人類学にて撮影
出土した装飾品の素材には日本国内では手に入らないものもあり、当時の土井ヶ浜に権力者が存在し、遠方との交流や交易があったことを示唆しているのだそう。

2025年土井が浜人類学にて撮影
さらに、弓矢用プロテクターと思われる加工品や、北部九州でしか見つからない珍しいガラス製トンボ玉など、貴重な一点物も展示されています。

2025年土井が浜人類学にて撮影
極小ビーズの精巧な装飾品からは、道具の少ない時代にも高度な技術を持つ職人がいたことが分かります。

2025年土井が浜人類学にて撮影
展示品の詳細を知りたい方には解説本も販売されています。ぜひ、こちらもあわせてお読みになってみてはいかがでしょうか。

2025年土井が浜人類学にて撮影
また、土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムでは、事前予約をすれば学芸員による展示解説も受けられるそうです。入場料は一般¥200、大学生等は、¥100。

2025年土井が浜人類学にて撮影
国内でも珍しい太古の出土品を間近で体感できる貴重な機会です。出土品はすべてを語ってはくれません。

2025年土井が浜人類学にて撮影
小さな手掛かりから事実を読み取り、残された謎に思いを馳せる。そんな、考古学の醍醐味を味わってみてはいかがでしょうか。

2025年土井が浜人類学にて撮影
(土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムのみな様、学芸員の大藪博士、取材にご協力いただきありがとうございました。)

2025年土井が浜人類学にて撮影
2025年7月1日(火)~11月24日(月・祝)まで、「うごく・つながる#弥生人-弥生時代の響灘」をテーマに特別企画展が開催されている土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムはこちら↓