下関市椋野町の下関合同花市場は、花の取引センターとしてその歴史を誇ります。山口県内で最も花の生産が盛んな地域である下関の、この市場には下関産を含む全国各地や海外から多種多様な花が集まるそうです。その中でも、下関産の花は特に注目され、競りに多く出品されます。手競りでの数字が飛び交かう熱気の中で、ものすごいスピードで、次々と競り落とされた花が、ベルトコンベアーで流れていく光景は、活気に満ち、圧倒されます。はじめて立ち会う競りでは、いつ、だれが、いくらで、何を競り落としたのか、まったく把握できません。競りをする人たちは、その日の競りに出された商品と、競り落とされた値段と、競り落とした先の商店まで、全て記憶できるのだそうです。そのプロフェッショナルぶりには、目を見張るものがあります。1980年５月に唐戸市場から現在の場所に移転し、その後44年にわたって花業界に欠かせない存在となってきた下関合同花市場。変化する花の需要を様々な活動を通して、守ってきたそうです。消費者の手元で一日でも長持ちする花を届けることが、その基本であると、下関合同花市場の社長、岡田さんはおっしゃいます。切られた時から、どんどん寿命がなくなっていくお花。一日でも長く手元で咲いてもらうためには、産地から消費者まで時間のかからない方がいいとのこと。山口県内でも花の一大産地である下関では、それだけ新鮮なお花が手に入る恵まれた環境にあると言えるのではないでしょうか。近年では、競りの80％がインターネットを通じて行われ、残りの20％が市場での競りという形で取引が行われているそうです。時代の変化を反映し、将来的には市場での競りも姿を消してしまうかもしれません。下関合同花市場では、一般の方はお買い求めは出来ないそうですが、事前の申し込みをすれば、競りの見学は可能だそうです。競りの熱気や花の美しさを間近で体感するこの貴重な体験は、花に興味がある人々にとって魅力的な機会。ぜひ、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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